n次元正単体の体積
\(\mathbb{R}^n\)内のアフィン独立な\(n+1\)個の点の凸包\(S\)(\(n\)次元図形)を\(n\)-単体(\(n\)-simplex)または単に単体(simplex)と言う.\(n+1\)個の点を\(p_0,p_1,\ldots,p_n\)とすると,\(S\)は次のように表せる: \[S=\left\{t_0 p_0+\cdots +t_n p_n \middle| \sum_{k=0}^n t_k=1,t_i\geq 0\;(\forall i)\right\}\] さらに,正多胞体でもあるような単体を正単体と言う.つまり,正単体とは全ての面が合同な単体であり,2次元における正三角形や3次元における正四面体の一般次元への拡張である.
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1辺の長さが1である\(n\)次元正単体の体積\(V\)を求めよ.ただし,\(n\geq 1\)とする.
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1辺の長さが1である\(n\)次元正単体の表面積\(A\)を求めよ.ただし,\(n\geq 1\)とする.
1 解答
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平行移動で体積は変わらないから,\(p_0=0\)を頂点の一つとする正単体を考える.他の頂点を\(p_1,\ldots,p_n\)とする. \[C=\left\{t_1 p_1+\cdots +t_n p_n \middle| 0\leq t_i\leq 1\;(\forall i)\right\}\] とする. \(\mathbb{R}^n\)の標準的な計量に関する体積の定義から, \[\begin{align*}
V &= \int_{S}d\mathrm{vol}=\frac{1}{n!}\int_{C}d\mathrm{vol} \\
&=\frac{1}{n!}\int_{[0,1]^n}\det(p_1\; p_2\; \cdots \; p_n)d\mathrm{vol} \\
&=\frac{1}{n!}\det(p_1\; p_2\; \cdots \; p_n).
\end{align*}\]ここで,正単体であることから,\(|p_i|=1\)(\(i=1,\dots,n\))かつ \(i\neq j\) に対して \(|p_i-p_j|=1\) が成り立つ.よって内積を用いると \[|p_i-p_j|^2
=|p_i|^2+|p_j|^2-2p_i\cdot p_j
=1\] より \[p_i\cdot p_j=\frac{1}{2}\qquad(i\neq j),\] また \[p_i\cdot p_i=1.\]したがって,グラム行列 \[G=\bigl(p_i\cdot p_j\bigr)_{1\le i,j\le n}\] は \[G=
\begin{pmatrix}
1 & \tfrac12 & \cdots & \tfrac12\\
\tfrac12 & 1 & \cdots & \tfrac12\\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots\\
\tfrac12 & \tfrac12 & \cdots & 1
\end{pmatrix}\] となる.行列の基本性質より \[\det(p_1\;p_2\;\cdots\;p_n)^2=\det G\] が成り立つ.この行列は \[G=\frac12 I_n+\frac12 J_n\] (\(I_n\)は単位行列,\(J_n\)は全成分が1の行列)と書ける. \(J_n\)の固有値は \(n\)(重複度1)と \(0\)(重複度\(n-1\))であるから, \(G\)の固有値は \[\frac12+\frac12 n=\frac{n+1}{2}\quad(\text{重複度 }1),\qquad
\frac12\quad(\text{重複度 }n-1)\] となる.従って \[\det G
=\frac{n+1}{2}\left(\frac12\right)^{n-1}
=\frac{n+1}{2^n}.\]以上より \[\det(p_1\;p_2\;\cdots\;p_n)
=\sqrt{\frac{n+1}{2^n}},\] したがって体積は \[\boxed{
V=\frac{1}{n!}\sqrt{\frac{n+1}{2^n}}
}\] である. -
次に表面積を求める.\(n\)次元正単体の各面は, 辺の長さが1の\((n-1)\)次元正単体であり, その個数は \(n+1\) 個である. したがって,\((n-1)\)次元正単体に対して(1)の結果を用いると,各面の\((n-1)\)次元体積は \[V_{n-1}
=\frac{1}{(n-1)!}\sqrt{\frac{n}{2^{n-1}}}\] である.よって表面積 \(A\) は \[\boxed{
A=(n+1)\frac{1}{(n-1)!}\sqrt{\frac{n}{2^{n-1}}}
}\] となる.